第2回 はじめてのAngular2 ~自動インストール~
Angular2の自動インストール
1.概要
Angular2では、コマンドラインツール「Angular CLI」(CLI:Command Line Interface)を使ってインストールやビルド、テスト等をコマンドひとつで実行できます。ここでは、Angular 2.1.0を自動インストールします。
Angular CLI公式サイト https://cli.angular.io/
Angular CLIは現在ベータ版ですが現在beta-20まで改良が進み、機能が充実してきました。以降の手順はWindows OSの例です。他のOSを利用する場合は、適宜読み替えてください。
2.前提ソフトウェアのインストール
Angular-CLIの前提ソフトウェアとして、Node.js(バージョン4以上)が必要です。既に、Node.jsがインストール済みであっても、バージョンが4未満の場合は再インストールを行ってください。
1.以下のURLにアクセスします。
Node.js公式サイト https://nodejs.org/en/
2.インストーラーは安定版と最新機能版の2種類があります。「Recommended for Most Users」と記載のある安定版のインストーラーを選択してダウンロードします。
3.インストーラーを実行します。
4.ウィザードが表示されますので、デフォルト設定のままインストールを行ってください。
5.ウィザード画面に「Complete the Node.js Setup Wizard」と表示されれば、Node.jsのインストール完了です。Finishボタンをクリックしてウィザードを閉じます。
6.新規にコマンドプロンプト画面を開きます。以下のnodeコマンド(node.jsのバージョン表示)を入力して、インストールしたバージョンとの一致を確認します。
C:\>node -v v6.9.1
7.これでnode.jsのインストールは完了です。
[参考]
node.jsは、JavaScriptをブラウザ以外で動作させる実行環境です。当初は、サーバーでの利用が目的でしたが、その後さまざまなOSやCPU環境に移植され、JavaScriptをJavaのようなクロスプラットフォーム言語に位置づける役目をしています。また、node.jsに含まれるnpm(Node Package Manager)はブラウザとnode.jsで利用するライブラリやツール等を配布・インストールする標準的な手段として使われています。Angular-CLIもJavaScriptをべースに開発されていますので、npmを使ってインストールを行い、node.js上で動作します。
3. Angular-CLIのインストール
1.コマンドプロンプトを「管理者として実行」で、開きます。
2.コマンドプロンプトに、mkdirコマンドを使ってAngular-CLIをインストールするディレクトリを作成します。ディレクトリ名は任意です。ここでは、「angularCLI」とします。
3.cdコマンドを使って、作成したディレクトリへ移動します。
C:\>mkdir angularCLI C:\>cd angularCLI C:\angularCLI>
3.npmのインストールコマンドを使ってangular-CLIをインストールします。「@1.0.0-beta.20-4」はインストールするプログラムのバージョン指定です。Angular-CLIは頻繁にバージョンアップしていますので、以降の解説との相違が生じないようにバージョン固定します。-gはglobalの意味で、任意のディレクトリでインストールしたコマンドを利用できます。
C:\angularCLI>npm install -g angular-cli@1.0.0-beta.20-4
4.インストールが始まります。インストールが完了してプロンプトが表示されるまで10分以上かかることもあります。途中で表示される警告文(WARN)は無視します。エラー(ERR!)表示でインストールが終了した場合は失敗ですので、同じ内容のインストールコマンドを再実行します。
5.Angular-CLIのバージョンを確認するng -vコマンドをコマンドプロンプトに入力して、動作確認をします。
[参考]
ngはAngularの2文字略語です。例えば、Angularのカンファレンスをng-confと呼びます。
C:\angularCLI>ng -v angular-cli: 1.0.0-beta.20-4 node: 6.9.1 os: win32 x64
6.これでAngular-CLIのインストールは完了です。
4. サンプルプロジェクトの作成
1.コマンドプロンプトを「管理者として実行」して開き、Angular-CLIのインストールディレクトリに移動します。ここでは、C:\angularCLIです。
2.コマンドプロンプトに、ng new コマンドを使ってサンプルプロジェクトの生成を開始します。プロジェクト名は任意です。ここでは、「proj01」とします。
C:\angularCLI>ng new proj01 installing ng2 create .editorconfig create README.md (以下省略)
3.プロジェクトの生成が完了してプロンプトが表示されるまで10分程度以上かかることもあります。エラー表示で終了した場合は失敗ですので、同じ内容のコマンドを再実行します。
4.プロジェクトディレクトリ(C:\angularCLI\proj01)に移動して、動作確認のためビルドを行ってみます。ng buildをコマンドプロンプトに入力します。エラーメッセージが表示れず、proj01ディレクトリ内にビルド出力先のdistディレクトリが生成していれば成功です。
C:\angularCLI>cd proj01 C:\angularCLI\proj01>ng bild 7833ms building modules (以下省略)
5.次に、ng serve –open コマンドを入力します。このコマンドひとつで「アプリのビルド」「Webサーバーの起動」「Webブラウザを開く」の3つの操作を自動実行します。ファイアーウォールの警告ダイアログが表示された場合は、許可します。
「It is either in use or you do not have permission.」のメッセージが表示された場合は、同一ポートを使っている他のアプリはないか、サーバーを2重に起動していないか確認します。
C:\angularCLI>cd proj01 C:\angularCLI\proj01>ng serve --open ** NG Live Development Server is running on //localhost:4200. ** 10% building modules 7/8 modules 1 active ... (以下省略)
6.Webブラウザに、「loading」と表示され、その後「app works!」と表示されれば、サンプルプロジェクトの生成作業完了です。
7.ng serveコマンドは常駐してコード変更を監視し、ビルドとWebブラウザのリロードを自動実行します。終了させるには、コマンドプロンプトからCtrl+Cを入力します。
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(初版)2016年8月2日
(更新)2016年12月1日